2020年4月15日

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY 山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母/17年熟成酒

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY-200403瓶詰め 17年熟成
山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母 
日本酒度+8 酸度2.1 アミノ酸度1.02

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY
200403瓶詰め 17年熟成
秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY

  山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母



もちろん、購入は吟の酒きぶね
きのうは日本酒(秋鹿、純米吟醸)購入のつもりでよったら、赤ワインをすすめられ、素直にかみさん用に購入

で、今回の熟成酒は
16年前の購入なので移転前の津志田に店を構てましたね
屋号も”きぶね酒店”だった頃かな?

キッチンの床下収納で常温保存
15年くらい寝かせて
抜栓後には我が家の酒蔵3畳間へ
抜染後、冷暗所の常温保存で2年経った

時折、たのしみにかみさんと
ちょこっと飲みしてきたけど、
久々に印象を書いてみようかな

夜中の酒蔵からこっそり取り出す
ガラス製 珈琲のテスティング用ショットグラス(大)

今日はやや冷えの常温で
ガラス製 珈琲のテスティング用ショットグラス(大)に注ぐ

とろみがすばらしい
大きいグラスだとなおのことだろう


17年経っても強烈な強さが湧き上がる
さらに6号酵母らしさ全開のどこか田舎っぽい、
酒らしい酒、米らしい酒の印象だ
そこに秋鹿の真骨頂、強烈な酸が大胆不敵に微笑みかける
熟成しても美しい黄緑色

酸と強烈なボディーからは
ワインを越える日本酒の姿がみえてくる
火打石系のワインも秋鹿の前には刃が立たない

17年熟成にもかかわらず美しくきらびやかな黄緑色がすでに旨みを想起させる

そして冷え気味の常温ならではの引き締まった質の良い熟成香
乳酸系の香りにカラメル、黒糖、濃厚な蜂蜜、砂糖入りの珈琲、紅茶キャンディー、ナッツ、チョコレート、トースト、どこかしら柑橘系の香りも、これはカボスやキンカン、ほのかに燻製香
などの香りがとても複雑に絡み合い、明言するのは難易だ
そのほとんどの香りが、この酒の本来持っているポテンシャルと熟成由来の香りとが織り込まれた

味わいは秋鹿らしく、
何と言ってもしっかりと主張する強烈な酸がボディーの骨格で
低い精米歩合らしいコメヂカラの強さがありつつ、
どんなに強くても、その中に繊細さを保っている
豊かな至高の酒質が感じられる


さらに、強さ故のキレと深いコク
普通の造りの6号酵母ではありえないほどの力強さだ
7号にも決して負けない
僕は秋鹿の造る6号酵母の純米や純米吟醸が大好きだ
最近はめっきりその姿を見ることがないのは残念だ

最後にやってくるのは、果実や樹の皮を燻製にしたような渋みや苦み
決して雑味ではなく、質の良い味わいになっている
口の中の残り香はまるで長期熟成酒のぬる燗を飲んだ時のようだ
旨みで口全体が包み込まれ、余韻が極めて長い
明日も香ってそうだ

2杯目では爽やかさやミネラル香も加わって立ち上がってくる
味わいはさらに引き締まって
力強さに秀でたまとまり感が出てくる

飲んだ量は1合に満たないけど

今宵も至福のひと時をいただきました

次回は熱燗で



もちろん、ふつうは冷蔵保存
でも常温保存の秋鹿にはまた別の出会いがある

開けたての頃は飲み口の強烈な若い硬さと強い酸
この手の日本酒を知らない人には、とてもとても飲みづらい酒に感じられるかもしれない
ただし、本物の日本酒(地酒)だけが持つ底力はこの酸にありきといっても過言ではない
ワインで言えばフランスワインのような変化と複雑味に富んだ世界がそこに広がっている
そして酸を極めた日本酒にのみ叶えられた長期熟成の楽しみ

秋鹿については、最初から冷蔵保存のものと常温保存のものにわけている
もちろん出来たても概ね味わう
これは何年くらい後が良さそうとか、常温がよさそうとか
想像するのはたのしいものだ

冷蔵保存のものは2年〜5年程度自家熟成
常温保存のものは10年~20年自家熟成
それで、本来の力がようやく引き出される酒もあるのだ
保存をしっかりすれば、もちろん劣化など縁がない

ちょっぴり変態かもしれない
いやいや大いに変態だ


わたしが最も心から愛してやまない地酒、日本酒、純米酒の造り手の一つ
それが秋鹿酒造
いつかまた蔵にもお邪魔したい
奥さんとも話したい
できれば酒を酌み交わしながら

2019年7月26日

清酒 萩の鶴 本醸造 仕込み米不明65% 酵母不明 2007BY(H19BY)

清酒 萩の鶴 本醸造 仕込み米不明65%  酵母不明
 2007BY(H19BY)/萩野酒造株式会社
なんと前回の秋鹿より一年年上の12年熟成酒
日本酒度 酸度 アミノ酸度 ALL?


栗原に通っていたころ
「このお酒ダメになってるかもしれないけど、、、」
と言われつつありがたく頂たいたもの。

栗原の某所で常温で5年、その後、我が家で10-15度前後で2年。さらに0℃前後で1年息を吹き込み、その後、再度常温(冷暗所)に戻した、よみがえりの庶民のお酒を
久しぶりに飲みなおし

抜栓後6年、その間少しずつ、変化をみてきた
今日はまたもやその意外なる変貌をおきかせしたい


うまくて
ついうっかり、気づけば軽く2合のんでしまった
いやいや
あと半分
こういうお酒を10年以上大事に大事に寝かせるバカも
そうそういないでしょう

一度イカレタお酒を生き返らせる方法がひとつあります
ただ寝かせるだけではダメにダメ押し~

大事なのは、一度息を吹き帰らせること
そのために、温度管理の変更を試飲しながら調整します
抜栓の時期なんて関係ないんですよ(きっと、疑う人がほとんどでしょう)
大事なのは抜栓後の管理

そして、最初に直感で感じた”常温向き”のために
最後は温度変化の極力少ない場所(仏間=酒蔵というたわけもの)でしっかりとねかせて様子を見る

7年前にイカレテいたお酒;ボケボケでキレも辛みも旨味も良い酸味もない
それがここまでよみがえり、旨くなるんです

あぁなんていい熟成香、、、、、
ここまで戻るとは思ってなかった
酸味と辛みがよいバランスに落ち着き
まだ伸びしろを感じる

熟成に伴うトーストのような香ばしさがたつのに
まろやかさ、やさしさがあるんだね
これこそ、萩の鶴の魂だと僕は勝手に思う

味わいは辛み、甘み、旨味、三位一体となって、
不自由で酒を飲んではいけない
僕の体を癒し、幸せで溢れさせてくれる
とても幸せなひと時だ

どうしても戻せないのは飛んでしまったアルコール度数だけかな

それでも、ここまで戻ってくれば、常温やぬる燗だけでなくて
人肌前後くらいまでお燗をつけても十分に旨いだろう(後日の楽しみ)
決して冷で飲むものじゃない(絶対にダメ)

萩の鶴若手杜氏の
佐藤曜平君
とはいえ、経験年数でいけばすでに結構ベテランかもね
彼にはなんどかあってるけど、
彼は僕のこと覚えてないだろうなぁ~
とある大型案件でお役人様と交渉にも行ったんだけどなぁ(丁重にお断りされちゃいましたけど)
、、、
まぁ、ただの酒好きが高じての熟成酒仙人になってしまっただけの、のん兵衛ですからね
しかたなし!
曜平くんも、最初は大分苦労したり、どこかブレたりを感じたけども
きっと、今は落ち着いた造りに安定してきているんだろうな
最近の若い酒を飲んでないのでコメントできない


 なにはともあれ、栗原を代表する酒蔵の一つ
であることは間違いなし
彼のやさしさあふれるお酒を愛してくれる人が
一人でも増えることを祈ってます

栗原市そのものも応援してますよ
なんたって

栗駒山麓ジオサポーターやってますんで







2019年7月22日

秋鹿 山廃純米にごり生酒 霙もよう 2008BY-200901瓶詰め 雄町(全量自営田)精米歩合7割 7号酵母

秋鹿/霙もよう雄町2008BY
秋鹿 山廃純米にごり生酒 霙もよう 
2008BY(H20BY)-200901瓶詰め

雄町(全量自営田)100% 精米歩合7割 7号酵母 
日本酒度+12 酸度2.1 アミノ酸度1.0
11年熟成酒だ
もちろん、購入は吟の酒きぶねで10年前のこと

冷蔵庫で0℃程度で保存2年、
抜栓後8年、その間少しずつ、変化をみてきた
今日はその意外なる変貌をおきかせしたい





秋鹿/霙もよう/山廃純米
雄町70%/7酵母/2008BY
秋鹿/霙もよう/山廃純米
全量自営田雄町2008BY
秋鹿/霙もよう/山廃純米
にごり生酒/雄町/2008BY
 山田錦の”霙”は長熟の可能性が低いと感じていた
でも市場にほぼ出回らないマイナーな
雄町、70%、7号酵母。
この組み合わせだからこそ
長熟の可能性を見込んでのことだった

昨年までは毎年硬く、味わいに膨らみも伸びもあまり感じなかった、単調さが目立っていた

この2年くらいは常温保存へ切り替えていた

単調な味わいが長いこと続いた


こらえて、こらえて、
今年、いや、今日、
ようやく、待っていた熟成の味わい・香りが
表に顔を出してくれた
決して完璧なわけではない

でも、
なんて、幸せな瞬間だろう

コレを飲ませたい人はたくさんいる
残念ながら残り1.5割程度、上澄みもない
さて、誰に試飲させようか

僕の見越した魂の熟成
秋鹿の魂の造り
奥さんの思いが痛いほど伝わる一本だ
普通じゃない飲み方なのは重々承知、、、

今日はなんでもない薄手で大ぶりの陶磁器、日常使いの猪口

「とろりとこっくりと」

味わい、香り、そして時の流れ、さらには思いのたけ
今ここに解放された熟成を経た酒の声

山廃純米雄町のにごりからたちのぼる
目には見えないふくよかな容姿
雄町ならではの
時を感じさせない力強さ

冷やで味わってはいけない
常温ならではのバランス
あとは燗冷ましだけだ

分析的な味かおりのはなしはやめておこう

これはこれを知りたい人にだけ
ともに飲めた人にだけ伝わるものだ

僕のホームベース
”秋鹿”
それだけは変わらないし
変えようがない
”神亀”の格が違うことは重々わかってる

力強い酸は、秋鹿の命だ

それが、消えたとき、
僕は秋鹿と向き合うことをやめるだろう
そんなことがあってはならない
揺るがない秋鹿の全身全霊
魂だからだ


持病と事故の後遺症で
全身の痛みを耐えながら飲む
僕にとって
至福のひと時

なんども書き残しててきたかもしれない
元から長期熟成向けの造りが主体だった秋鹿は
冷蔵保存もバッチリ合うが
常温保存の秋鹿にはまた別の顔が
立ち振る舞いがある

それを見ずして低温貯蔵のみが正しいという考えは
そろそろ捨て去るべきではないだろうか

十数年~二十年近い熟成の秋鹿、凱神、神亀、、、
もちろんほかにも寝かせてる大好きな蔵は多数
常温もあれば0℃管理も

それぞれが生き生きと
語りかけてくれる
そんな贅沢な時間

麻痺した体の麻痺を和らげてくれる

秋鹿奥さんとまた、いつか語り合いたい
また、蔵にお邪魔したい
と切に願う
僕にはそのチャンスが残されているだろうか



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2014年11月7日

シャトー シャンスネッツ Chateau Champcenetz 2000

Premieres Cotes de Bordeaux
Chateau Champcenetz 2000 
シャトー シャンスネッツ 2000


シャトー シャンスネッツ Chateau Champcenetz 2000


500mlという珍しいボトル
シャトー シャンスネッツではシャトーの建物を
シャンブル・ドット(Bed & Breakfast)」という宿泊施設としても運営、
ぶどう畑に囲まれながらボルドーワインを満喫できるという
実にたのしそうなことをやっているらしい
行ってみたいなぁ

宿泊客からのリクエストで、通常より少し容量の少ないボトルに
ビン詰めされたものだそうな
確かにフルボトルでは多いけどハーフでは少ないという時はもってこいだ
やるなぁ

1789年、シャンスネッツ子爵によって、
ボルドー市の南東、アントル・ドゥー・メール地区のボーレック村Baurechに設立
以降オーナーを変えながら、
現在、ワインメーカーを務めるマリエル・カゾー女史と
サンドリーヌ・ミエカーズ女史らが所有
メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン40%

だそうな、、、

ちなみに吟の酒きぶねで購入、\1,500くらい


さて、飲んでみよう
14年経っているからだろうか?
エッジはオレンジを帯び、
まだ凜とした透き通るような美しい赤はガーネット

コルクの香りを嗅ぐと、
香りが閉じている印象
けれども、とても質の高い力を秘めた閉じ方だ
グラスに注いでゆくと、品良くまとまった香りがする

グラスを斜めにしてゆっくりとまわす
すると、素晴らしい香りが開いてくる
グラス内でできるかみさん譲りの開かせ方
デキャンタージュしても良いくらいの
ポテンシャルが隠れている

最初のインパクトは紫色の凝縮感
これはドライフルーツ、干しぶどうの香りだ
熟成しているにもかかわらず、
全くダレのない芯のある香り
さらに黒っぽいカシス(和名;クロスグリ、英名;ブラックカラント)の香り、
カカオ、コーヒーリキュール、
鉄、インク、ヨード臭、腐葉土の香り。

まるでシャトーの周りの湿った腐葉土を
踏みしめているかのような錯覚にとらわれる

そして少しだけ赤い果実やバターのまろやかな印象
トゲのない上質なタバコの香り、
トーストやほのかな熟成香
残り香にはプルーンのようなやさしい香り


我が家ではデキャンタージュしないで
ボトルの上から下までの変化を楽しむ
・・・デキャンタを持っていないのも事実ですが、、、

ボトルの上の方だけ若さが残る酸
ボディーを明確にする果実、
干しぶどうの旨み、
生き生きとしっかりしたタンニン

菊の花の酢の物と合わせると、上品な甘みと香りが花開く
複雑味という趣きはないが、決して単調なわけではない
シンプルでシャトーの思いや方向性が感じられる

やはり、味わいも同様に最初は硬めに閉じた強さが感じられる

中程に来ると硬さが取り除かれ
バランスの良い開き気味の印象に

下の方はタンニンのパワーから逃れ
落ち着き払った味わいとなる

全体的には酸もタンニンもキツさはなく、
渋みの少ない甘さとなめらかさが表情を形づくっている
熟成ならではの一体感

これらの印象はメルロー主体のアッセンブラージュ
セパージュの特性からくるのだろうか
ボルドーワインを飲む機会が乏しいわたしには
感覚が染み付いていない

価格帯を考えるととてもよくできていて印象がいい
媚びないつくりはボルドーらしさを感じさせ、
芯のあるクラシカルな印象のワインに仕上がっている
抜栓後。数日置いても十分に楽しめそうだ

バルザックの「谷間の百合」にも登場する
シャトーらしいが、読んだことはない




2014年11月3日

宗玄純米 山田錦 55%無濾過生原酒 2012BY

宗玄 純米 山田錦 55%無濾過生原酒 2012BY-201302瓶詰め
1年半位前に抜栓し冷蔵保存していたもの
ポテンシャルは全く衰えない


宗玄純米 山田錦 55%無濾過生原酒 2012BY

冷やで食事に合わせた後に常温でゆっくり味わう

冷やに合わせた食事はブリしゃぶ
いや、ブリしゃふだからこそ宗玄
宗玄は青魚には素晴らしい相性を持つ
刺身や〆モノがよく合うけれども、
火を入れたしゃぶしゃぶとも絶妙だ
宗玄の持つ優しさ、ふくよかさがしゃぶしゃぶと示し合わせたかのように意気投合している


優しい薄緑色を帯びる酒は大抵旨い

優しい薄緑色を帯びる酒は大抵旨い
さて、ここからは、常温で

ワイングラスに注ぐ
とろみのある液体は
優しい薄緑色を帯びる
いかにもうまそうだ

ふくよかな甘い糖の香りと優しい柑橘系の香り
キュッと心くすぐられる優しい酸が
香りにも顔を出している
キツさがとれ、ほぐれたグリセリン臭も立ち上がりに含まれる

味わいは、香りを裏切ることのない素性の良さ
女性的でもあり男性的でもある輪郭は
美しいほどに均整のとれた優しさに満ちている
甘い糖分は静けさを伴って沁みてくる
柑橘系の風味は、一体どこからくるのか?繊細で表現し尽くせない
旨味の裏側にいる渋み
そこには日向夏の皮の部分やグレープフルーツの印象が感じられる
でも、もっと優しさとほのかな甘味に包まれている
酸はふっくらと優しく、キュートな印象

宗玄の純米、純吟は本当にバランスが良い
そして、酒米の特徴がとても素直に表現されている
10数年前はこのバランス、安定感に驚かされたのを良く覚えている

口内の残り香はマイヤーズのような甘味のあるレモンやグレープフルーツの香りだ
これが後味の心地よさを促している
不思議と何処となく、古い古民家を想起させるような印象も見え隠れする

宗玄は、飲み屋さんでは冷酒か燗でいただくことが多く、常温をすすめられることはほぼない
でも、やはり常温の持つ優しさとふくよかさは、繊細な旨味に満ちている

自然体で押しつけがましくない

そんな思いやりの詰まった一杯だ


2014年11月2日

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY-201304瓶詰め 山田錦

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY-201304瓶詰め
山田錦100% 精米歩合6割 901号酵母 
日本酒度+8 酸度2.9 アミノ酸度1.2

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY 常温熟成
秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY山田錦


















もちろん、購入は吟の酒きぶね

一年冷蔵保存、抜栓後のポテンシャルを元に冷暗所の常温保存で半年経ったものだ

たまには、しっかりと感じたことを描いてみよう

今日はガラス製 うすはりグラス の猪口に注ぐ

「とろーっ、、、ゆるり」

少しばかりとろりと移ろう

ふくよかで爽やかなミネラル香、そしてめくるめくパワーが立ち上る
まるでフランスの上質な辛口白ワイン
そうロワール、ピイィ・フュメの強烈な火打石系のワインのようなニュアンス
そして常温ならではの質の良い熟成香
乳酸系の香りに柑橘系の香り、これはオレンジの皮、カボス、キンカンなどの香りがとても複雑に絡み合い、明言するのは難易だ
微かにプルーンや樹液、それに燻製のようなの香りまで立ち上ってくる
また、上質なきび砂糖や蜜の強い香りがそれらを包み込むように膨らみを与えている

味わいは何と言ってもしっかりと主張する酸がボディーの骨格となり、
力強い中に繊細さを持つ、酒質の豊かな一杯だ
そして、この酸こそが秋鹿の真骨頂
さらに、キレのあるフルーティーさ、蜜っぽくて、ふくよかでまろやか
それでいてエッジの効いた輪郭を感じられる
最後にやってくるのは、果実の皮を燻製にしたような渋みや苦み
決して雑味ではなく、質の良い味わいになっている
口の中の残り香はまるで長期熟成酒の熱燗を飲んだ時のようだ

強い酸に由来する力強さは、秋鹿のポテンシャルの高さを白日のもとにさらしている

熱燗は、少し高めに引っ張っても全く負けない
熱めの燗から徐々に冷ましながらぬる燗、そして常温に戻るまでゆっくりと楽しむ
酒盃は明治大正期の織部、お出かけ用の煎茶椀セットからひとつ

至福のひと時だ

今夜は我が家の定番、レンコン餅のあまりをつまみに
ごま油と白ごまを加えた醤油ベースのソースで


レンコン餅と熱燗
お出かけ用、骨董煎茶椀で温燗


















かみさんは「ちょっとこげちゃった」という

でも、この焦げ感からくる苦み・渋みに醤油の豊かな風味、ごま油の強さ
これらの強さが、
秋鹿の持つ独特の苦みや渋み、強い酸、そして熟成香にともなうカラメル香などと絶妙に合う
互いをしっかりとひきたててくれる
これも秋鹿の常温熟成酒2年ものならでは
もちろん、冷蔵保存でも合うが、常温保存の秋鹿にはまた別の出会い方がある

熱燗とともに食すと、さらなる領域に、、、
まるで、江戸時代の飲み屋さんに来たかのような錯覚を起こす

飲み口の強烈な若い硬さと強い酸、僅かなガス感
この手の日本酒を知らない人には、とてもとても飲みづらい酒に感じられるかもしれない
ただし、本物の日本酒だけが持つ底力はこの酸にありきといっても過言ではない
ワインで言えばフランスワインのような変化と複雑味に富んだ世界がそこに広がっている
そして酸を極めた日本酒にのみ叶えられた長期熟成の楽しみ

秋鹿については、概ね冷蔵保存で2年〜5年程度自家熟成させている
長いものは5年〜10年ひっぱって、十分に楽しめる
保存をしっかりすれば、もちろん劣化など縁がない

秋鹿や十字旭のような骨太の酸を持つ地酒は、
冷蔵保存と常温保存とで別々の味わいを堪能したいと常々思う
最近我が家では常温熟成酒が増えてきた
ちょっぴり変態的かもしれない
ちょっぴり?!

それにしても、

「いや〜、旨い。うますぎる!」

合計で飲んだ量は1合に満たない
昨日に比べ体調は下り気味
それでも、
今宵もなんと幸せなことか

わたしが最も敬愛する地酒、日本酒、純米酒の造り手の一つ
それが秋鹿酒造だ

また、いつか蔵にお邪魔したい
と切に願う



2014年11月1日

吟の酒 きぶね

今日は病院帰りに吟の酒きぶねに寄った

ぶれない素敵な夫婦だ

年下といえど、心から尊敬している

今日は体調が良い

注射祭りで10カ所打ってなおいい
首・肩・背中がこんなに軽いのは何年ぶりだろうか
(夕方には元通りだったけれども、それでもうれしい)

それで、気分がいいので

いつも頑張っている素敵なかみさんに
ねぎらいのワインを買って帰ろうということだ

「なにか秋らしいお楽しみのワインな~い?」


「是非、今、これがいいですよぉ」


と、でてきたのは シャトー・カロン・セギュール CH.Calon Segur のセカンド

サンテステフ・ド・カロン ラ・シャペル Saint-Estephe de Calon la Chapelle 
しかも1995年、
フランス、ボルドーサン・テステフ村の3級シャトーとして有名処だ







砂質砂利と鉄に富んだ石灰岩から生まれてくるブドウだとか




こちらはラベルデザインも淡泊なものだ

サンテステフ・ド・カロン ラ・シャペル( ラ・シャペル・ド・カロン La Chapelle de Calon はこれの後釜)は
イギリスのインポーターのみに出荷していたもので、
希少性から隠れたセカンドといわれているようです

実はカロン・セギュールは飲んだことがない
あのHEARTマークに違和感を覚え、
以前はあまり気にとめていなかったのも事実だけれども
これは田舎臭のする渋いラベルデザインだ
なんだかんだ言っても飲のんだことのないものは飲んでみたい
ハーフボトルと言うこともありかなりお得なお値段、1,500円
(通常はフルボトルで5,000~6,000円、安売りで3,000円前後)
中身もばっちりだそうな



丁度、カベルネの季節かなぁと思っていたところだった

きぶねさんでは、すすめられたとおりに買って帰って
いつもズバリ楽しむことができる


本当に、セレクトも良いが、なによりも客へのすすめ方がすばらしい

おしつけがましさは一切なく、上手にすすめては引いてというリズム感を持っている
こちらも、思わず心地よくなり、すすめられたものを頂くことになる
それでいいのだ


今の時代、そんなお店がいかほどあるだろうか?

お客様としっかり向き合い
謙虚に、酒と人へ深い愛情を注いでくれる


いつも感謝に堪えない



寄ってよかった

お店ではMineY本君に会った
また少し太ったべじゃ!
でも、久しぶりに会うことができ、話をすることができ、いい一日だった



さて、澱が多いので、1、2週間酒蔵で立ててからセラーへ入れよう

いつ飲めるかな
わたしはあまり飲めなくなってしまったけれど

心から楽しみな一本だ




吟の酒きぶね 更新
ところ 〒020-0866 岩手県盛岡市本宮1丁目7−22
電話 019-681-4330
FAX 019-681-4333
営業時間 AM10:00~PM19:00
定休日  火曜日、水曜日