2014年11月2日

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY-201304瓶詰め 山田錦

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY-201304瓶詰め
山田錦100% 精米歩合6割 901号酵母 
日本酒度+8 酸度2.9 アミノ酸度1.2

秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY 常温熟成
秋鹿 純米吟醸 槽搾直汲 2012BY山田錦


















もちろん、購入は吟の酒きぶね

一年冷蔵保存、抜栓後のポテンシャルを元に冷暗所の常温保存で半年経ったものだ

たまには、しっかりと感じたことを描いてみよう

今日はガラス製 うすはりグラス の猪口に注ぐ

「とろーっ、、、ゆるり」

少しばかりとろりと移ろう

ふくよかで爽やかなミネラル香、そしてめくるめくパワーが立ち上る
まるでフランスの上質な辛口白ワイン
そうロワール、ピイィ・フュメの強烈な火打石系のワインのようなニュアンス
そして常温ならではの質の良い熟成香
乳酸系の香りに柑橘系の香り、これはオレンジの皮、カボス、キンカンなどの香りがとても複雑に絡み合い、明言するのは難易だ
微かにプルーンや樹液、それに燻製のようなの香りまで立ち上ってくる
また、上質なきび砂糖や蜜の強い香りがそれらを包み込むように膨らみを与えている

味わいは何と言ってもしっかりと主張する酸がボディーの骨格となり、
力強い中に繊細さを持つ、酒質の豊かな一杯だ
そして、この酸こそが秋鹿の真骨頂
さらに、キレのあるフルーティーさ、蜜っぽくて、ふくよかでまろやか
それでいてエッジの効いた輪郭を感じられる
最後にやってくるのは、果実の皮を燻製にしたような渋みや苦み
決して雑味ではなく、質の良い味わいになっている
口の中の残り香はまるで長期熟成酒の熱燗を飲んだ時のようだ

強い酸に由来する力強さは、秋鹿のポテンシャルの高さを白日のもとにさらしている

熱燗は、少し高めに引っ張っても全く負けない
熱めの燗から徐々に冷ましながらぬる燗、そして常温に戻るまでゆっくりと楽しむ
酒盃は明治大正期の織部、お出かけ用の煎茶椀セットからひとつ

至福のひと時だ

今夜は我が家の定番、レンコン餅のあまりをつまみに
ごま油と白ごまを加えた醤油ベースのソースで


レンコン餅と熱燗
お出かけ用、骨董煎茶椀で温燗


















かみさんは「ちょっとこげちゃった」という

でも、この焦げ感からくる苦み・渋みに醤油の豊かな風味、ごま油の強さ
これらの強さが、
秋鹿の持つ独特の苦みや渋み、強い酸、そして熟成香にともなうカラメル香などと絶妙に合う
互いをしっかりとひきたててくれる
これも秋鹿の常温熟成酒2年ものならでは
もちろん、冷蔵保存でも合うが、常温保存の秋鹿にはまた別の出会い方がある

熱燗とともに食すと、さらなる領域に、、、
まるで、江戸時代の飲み屋さんに来たかのような錯覚を起こす

飲み口の強烈な若い硬さと強い酸、僅かなガス感
この手の日本酒を知らない人には、とてもとても飲みづらい酒に感じられるかもしれない
ただし、本物の日本酒だけが持つ底力はこの酸にありきといっても過言ではない
ワインで言えばフランスワインのような変化と複雑味に富んだ世界がそこに広がっている
そして酸を極めた日本酒にのみ叶えられた長期熟成の楽しみ

秋鹿については、概ね冷蔵保存で2年〜5年程度自家熟成させている
長いものは5年〜10年ひっぱって、十分に楽しめる
保存をしっかりすれば、もちろん劣化など縁がない

秋鹿や十字旭のような骨太の酸を持つ地酒は、
冷蔵保存と常温保存とで別々の味わいを堪能したいと常々思う
最近我が家では常温熟成酒が増えてきた
ちょっぴり変態的かもしれない
ちょっぴり?!

それにしても、

「いや〜、旨い。うますぎる!」

合計で飲んだ量は1合に満たない
昨日に比べ体調は下り気味
それでも、
今宵もなんと幸せなことか

わたしが最も敬愛する地酒、日本酒、純米酒の造り手の一つ
それが秋鹿酒造だ

また、いつか蔵にお邪魔したい
と切に願う



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