2020年4月15日

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY 山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母/17年熟成酒

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY-200403瓶詰め 17年熟成
山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母 
日本酒度+8 酸度2.1 アミノ酸度1.02

秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY
200403瓶詰め 17年熟成
秋鹿 純米 槽搾直汲 2003BY

  山田錦100% 精米歩合8割 6号酵母



もちろん、購入は吟の酒きぶね
きのうは日本酒(秋鹿、純米吟醸)購入のつもりでよったら、赤ワインをすすめられ、素直にかみさん用に購入

で、今回の熟成酒は
16年前の購入なので移転前の津志田に店を構てましたね
屋号も”きぶね酒店”だった頃かな?

キッチンの床下収納で常温保存
15年くらい寝かせて
抜栓後には我が家の酒蔵3畳間へ
抜染後、冷暗所の常温保存で2年経った

時折、たのしみにかみさんと
ちょこっと飲みしてきたけど、
久々に印象を書いてみようかな

夜中の酒蔵からこっそり取り出す
ガラス製 珈琲のテスティング用ショットグラス(大)

今日はやや冷えの常温で
ガラス製 珈琲のテスティング用ショットグラス(大)に注ぐ

とろみがすばらしい
大きいグラスだとなおのことだろう


17年経っても強烈な強さが湧き上がる
さらに6号酵母らしさ全開のどこか田舎っぽい、
酒らしい酒、米らしい酒の印象だ
そこに秋鹿の真骨頂、強烈な酸が大胆不敵に微笑みかける
熟成しても美しい黄緑色

酸と強烈なボディーからは
ワインを越える日本酒の姿がみえてくる
火打石系のワインも秋鹿の前には刃が立たない

17年熟成にもかかわらず美しくきらびやかな黄緑色がすでに旨みを想起させる

そして冷え気味の常温ならではの引き締まった質の良い熟成香
乳酸系の香りにカラメル、黒糖、濃厚な蜂蜜、砂糖入りの珈琲、紅茶キャンディー、ナッツ、チョコレート、トースト、どこかしら柑橘系の香りも、これはカボスやキンカン、ほのかに燻製香
などの香りがとても複雑に絡み合い、明言するのは難易だ
そのほとんどの香りが、この酒の本来持っているポテンシャルと熟成由来の香りとが織り込まれた

味わいは秋鹿らしく、
何と言ってもしっかりと主張する強烈な酸がボディーの骨格で
低い精米歩合らしいコメヂカラの強さがありつつ、
どんなに強くても、その中に繊細さを保っている
豊かな至高の酒質が感じられる


さらに、強さ故のキレと深いコク
普通の造りの6号酵母ではありえないほどの力強さだ
7号にも決して負けない
僕は秋鹿の造る6号酵母の純米や純米吟醸が大好きだ
最近はめっきりその姿を見ることがないのは残念だ

最後にやってくるのは、果実や樹の皮を燻製にしたような渋みや苦み
決して雑味ではなく、質の良い味わいになっている
口の中の残り香はまるで長期熟成酒のぬる燗を飲んだ時のようだ
旨みで口全体が包み込まれ、余韻が極めて長い
明日も香ってそうだ

2杯目では爽やかさやミネラル香も加わって立ち上がってくる
味わいはさらに引き締まって
力強さに秀でたまとまり感が出てくる

飲んだ量は1合に満たないけど

今宵も至福のひと時をいただきました

次回は熱燗で



もちろん、ふつうは冷蔵保存
でも常温保存の秋鹿にはまた別の出会いがある

開けたての頃は飲み口の強烈な若い硬さと強い酸
この手の日本酒を知らない人には、とてもとても飲みづらい酒に感じられるかもしれない
ただし、本物の日本酒(地酒)だけが持つ底力はこの酸にありきといっても過言ではない
ワインで言えばフランスワインのような変化と複雑味に富んだ世界がそこに広がっている
そして酸を極めた日本酒にのみ叶えられた長期熟成の楽しみ

秋鹿については、最初から冷蔵保存のものと常温保存のものにわけている
もちろん出来たても概ね味わう
これは何年くらい後が良さそうとか、常温がよさそうとか
想像するのはたのしいものだ

冷蔵保存のものは2年〜5年程度自家熟成
常温保存のものは10年~20年自家熟成
それで、本来の力がようやく引き出される酒もあるのだ
保存をしっかりすれば、もちろん劣化など縁がない

ちょっぴり変態かもしれない
いやいや大いに変態だ


わたしが最も心から愛してやまない地酒、日本酒、純米酒の造り手の一つ
それが秋鹿酒造
いつかまた蔵にもお邪魔したい
奥さんとも話したい
できれば酒を酌み交わしながら