2012年3月11日

3.11 禊ぎ雨、鶯宿温泉川長山荘にて


Dedicated to 3.11

震災から一年、


今日は
鎮魂の思いを込めて
献杯をしよう

その前に、
身を清めに

小雪舞う中、かみさんとsora4才と3人で
鶯宿温泉川長温泉へ


soraはかみさんと女湯へ

ひとり男湯の露天にはいると
既に先客ふたり

心地よさに無心で湯に浸かり
音もなく、風もなく、
しんしんと降る雪の中、
スギ林を眺めていた

一帯を包み込む雪の世界は
すべての音を吸い込んでいた

だんだんと小さくなってくる雪の粒

雪の粒と雪の粒
その隙間はしだいにひろくなる

ある瞬間、
音を吸い込んでいた空気感というか
その場の気配のようなものが
変化したように思えた

すると、空気の隙間を埋めるように
まだ弱々しい初春の鳥のさえずりが聞こえだした


そして、突然、
聞いたことのないサイレンが響きわたる
少し遠いところで

「あ、、、14時46分だ、、、」


その場で黙祷をする
目を開くと


無風だったこの場所に
ふっと、
ちいさな風の塊が転げてきた


そして、雪の粒は再びみるみる小さくなり
ついには、スピードを上げて、
いそいそとおちてゆく

「あ、、、雨だ」


ほんの数分だったろうか
まるで、なにもかもを優しく洗い流すかのように
霧のような雨がしばらくのあいだ降り注いでいた

その後、雨はまた、雪へとかわり
気配は再びすべての音を吸い込む

静かな日暮れが
1日のおわりを告げているようだった



合掌