2010年3月11日

今夜は、静かに、献杯!

友を亡くした

近くて遠い、
そんな付き合いでした

訃報は昨夜のこと
メールに気づいたのは
もう夜中だったかもしれない
3月2日に急死されたとの連絡
彼の恩師の大学教授からでした
数日後には博士の学位が授与され、
4月からは恩師と、同僚という立場になるはずだったのに

明日は通夜、
取り急ぎ、お悔やみと香典を送る

彼は、
日本酒を愛する友だった
きのこを愛する友だった
世の中をなんとかしようと努力する友だった
愛するものをもつ友でもあった
なんといっても、
人として大切なことを知っている友だったことを
そして、若いにもかかわらず
静かな時をとても大切にする友だったことを
思い出さずにはいられない


今夜は静かに献杯したい

言葉にしなくとも、そんな思いを感じてなのか
かぁさんが用意してくれていました
ありがとう

今日は、日本酒のための静かな食卓

・ひイカと大根の煮物
・ほうれん草の白和え
・もやしの麻婆風和えもの
・いくらの漬け

一杯の白飯で
ゆっくりと、
酒を注ぐ度に献杯をし、
ほころんだ思い出の断片を懐かしく思い、語りあいました

きのこ学会で出会ったのが最初で
その後、連絡を取り合うようになり、
出張で彼の住む高崎へ出向いた際に
二人で飲んだ

人生について語り合ったことは覚えているけれども
はなしの内容までは思い出せない
でも、よい時間だったことは覚えています

その後、
我が家へ日本酒を飲むだけのために
家族に会うだけのために来てくれたのはうれしかった
その日は、一晩、飲み明かした

数人の大切な友たちが、このとき、つどってくれていました
遠くは三宅島からも

みな、川の字になって寝っころがる

2007年のことでした
平成で言えば19年か

今夜は当時を思い、
3年熟成の19BYの日本酒で献杯することにしました
最近、我が家の酒蔵から掘り出して、
抜栓していた一升瓶のほとんどが、なぜか19BY

・秋鹿 無濾過生純米原酒、秋鹿山田錦、精米70%、901号酵母、19BY
熟成感があるけれども、まだまだ、硬く、燗上がりにのってこない。
冷やでは非常に旨く、しっかりと強い。さすが秋鹿、超熟向き。

・秋鹿 純米生原酒 生酛、山田錦、精米70%、7号酵母、19BY
 最後の一杯分だけ、“何かの時”のために残していた。冷やでは、やはり、まだ強さが目立つ。
 でも、燗をつけると、えも言われぬ、バランスが立ち上り、
 夫婦揃って「うまいっ!」と感嘆。


・十旭日 純米生原酒、改良雄町、精米70%、7号酵母、19BY
 先月、吟の酒きぶねで購入。そういえば、3年前、我が家に来た翌日連れて行った。
 きぶねさん夫婦の人柄のすばらしさをすぐにわかって、じんわりと感動してくれたことを思い出す。
 酒はというと、冷やでしっかりまだまだ若くもようやく十旭日なりにこなれかけてきた状態。
 燗をつけると化けるのが十旭日のポテンシャルの高さだ。
 夫婦揃って、「これだね」と、今日のひイカと大根の煮物にぴったりの相性。


・悦凱陣 無ろ過生純米 オオセト、55%、熊本9号酵母、19BY
 これは抜栓後半年くらいだろうか、ようやく堅さが抜け、丸尾さんらしいふくよかな
旨味と甘みがのってきた。でも、けっして甘い酒ではないことはおことわりしておかないと、、、
白和えといい相性だった
燗をつけると、これまた、豹変する度合いが最高だ。
「なんだかんだ一番旨いじゃん」そういう酒を醸すのが丸尾さんのところだ。

哀悼の意を表して、お銚子とお猪口はお気に入りの逸品を

・お猪口 江戸時代の久谷を2客・・・仙人が猪口の底でほろ酔いの柄と、楼からの景色が写った柄のもの(作者は別々)
・お銚子 一東斎の純銀製・・・ぽてっとした腰つきが昔の美人画のよう、お燗したときの柔らかさは純銀製ならでは、、、(我が家では、陶器・磁器・漆器・錫製など使っていますが、これは別格です)


今日は、日本酒で至福の時間を過ごすことができました
静かな、静かな、よい時間
もう、となりで、かぁさんはとsoraは寝息をたてています

人生の中に
このひとときをくれたこと“燗謝”しています

日本酒に、
素晴らしい作り手に、
家族に、
そして、高崎君(我が家でのあだ名)、君に!

M君(イニシャルだけ)、今夜は静かに君と飲めたように思う
ぼくらがそっちにいくまで、
おいしい酒を見つけて、たくさん熟成させておいてください

今夜はいつまでも
献杯!

0 件のコメント: